もぐうさノート

惰性で生きてます。

EXひきこもり

近所のスーパーでの買い出しや

通勤など、極短時間であっても

外出すると猛烈に目が痒くなる。

これは今まで以上に外出を控えねば。

 

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読んだ本

面白かった。

以下ネタバレ。

 

 

 

 

オリオン像の謎については、だいぶ序盤から

「これ建物の方が動いてるんだろうな」と

推測してはいた。

回転しているとまでは思い至らなかったが。

 

タイトルを象徴する人物でもある天王寺翔蔵博士だが

作中、あるいは別作品の解説などでも語られているとおり

「(少なくとも今は)天才ではない」数学者になっている。

俗物と言っても良いかもしれない。

僕らみたいな凡人にあんなことを話されるようになったなんて、

哀れだね…。自分でも言われたように、博士は人間の弱い部分…、

自分の弱い部分に怯えているようだったじゃないか…。

僕には、弱い老人の姿しか見えなかった。それが、とても悲しい

ー243ページ

 

最後に全ての真相をぼかしたまま、彼を退場させたのは

全てを明らかにしない事で、すなわち彼を丸裸にしないことで

多くの人物にとって「彼が天才であった」まま消えられるという

作者なりの慈悲だったのではないかと思う。

 

そして今作で最もブッ飛んでいるのは、

作中における事件の共犯者である鈴木君枝さんだと思う。

 

メインとなる事件では実行犯のアシストと自身のアリバイ工作を

こなし、過去には共謀して夫を殺害。そして作中で

未遂ではあるものの2人を殺そうとしている。

そして何より、これらの罪を犯すことによる、

君枝さんの明確な利益は「ない」。

 

物語の登場人物としては、そういった理外の人は

大好きだ。リアルでは絶っっっ対に関わりたくないが。

 

総評としては、上記2名のコントラストというか、

「絶対的な天才に見えて、実は俗物」、

「か弱い家政婦に見えて、実は恐ろしく理外の人物」という

対比が面白く、楽しむことが出来た。

1作目「すべてがFになる」のインパクトには及ばない

かもしれないが、その次ぐらいには来るかも。

といってもまだ3作しか読んでないが。

 

シリーズ次作も楽しみだ。