ネタバレなしの感想としては、
すごい面白かったので、お金と時間と心に
余裕がある人は是非観にいくべきだと思いました。
以下ネタバレ。
終始、現実と妄想の区別がつかない(あえてつかないように作っている)
物語だったが、この話は全て、最後にアーサー(ジョーカー?)
が思いついたという「面白いジョーク」そのものではないかと思った。
つまり、全てが虚構。作り話。
序盤から、能力的にも境遇的にも報われないアーサーだが、
突然笑いだしてしまう病気以外にも
ネタ帳なしには喋れず、単語の記入もおぼつかない記憶力だったり、
銃を落っことした後に黙りこくってしまう、機転の利かなさ等
所謂”足りない”部分が多い。
だが、中盤以降、そんなアーサーにしては
出来すぎとも言える展開が多い。
ネタが全く笑えず、ロクに人前で喋れないのに
なぜステージに立てたのか?
要人が集まっている、警備が厳重なはずのホテルに
なぜ易々と侵入し、更にはクロークの制服まで
拝借できたのか?
30年前の病歴や逮捕歴といった、超プライベートな
事柄を、なぜ聞き出すことが出来たのか?
#病院のおっさんはペニーの資料を持ってきた後で
#アーサーが「息子である」事に気づいている
また、劇中の事象について「アーサーにも非はあるよね」
という点が無く、それが却って「ご都合主義」感を
強めている。
ただし、これはシナリオが甘いと考えるより、
「おかしい人が考えた、おかしい話」と考えさせるように
敢えて作っている、ように感じた。
という訳で、繰り返しになるが、全ては劇終盤の
カウンセリング時に、アーサーが思いついた戯言、
つまりジョークだったと思われる。ジョークとして笑えるか
と言えば、当然ながら笑えない。なのでアーサーは
「理解できないさ」と言ったのではないか。
最後に、結局アーサーはジョーカー(バットマンと対峙する
ヴィラン)なのか?という点については、
「分からない」で良いと思う。
ウェイン家との関係性なども含め、そうだとも取れるし
そうでないとも解釈できる。
個人的に、こういう後味の悪い終わり方は大好きだ。